一戸建ての住まいを持つ方は、空き巣や強盗などの犯罪から自分や家族、貴重品を守るために、防犯対策をしっかりと行いたいと思うでしょう。しかし、具体的にどんな対策をすれば効果的なのか、どんなホームセキュリティサービスがあるのか、わからない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、日本防犯住宅協会認定の防犯住宅診断士にお話を伺いました。一戸建てのお家でやるべき防犯対策や、ホームセキュリティの必要性や選び方について、詳しく解説していきます。
2020年の警視庁のデータを見てみると、侵入窃盗の被害は一戸建て住宅が37.0%と一番多くなっています。侵入窃盗とはいわゆる泥棒のことで、「空き巣」「忍込み」「居空き」といった手口があり、空き巣は留守中に入る泥棒、忍込みは就寝したころに入る泥棒、居空きは住人の在宅時に入る泥棒を指します。
では、泥棒、とくに手口の3割以上を占める空き巣は、お家の何をチェックして狙いを定めているのでしょうか? 対策と合わせて紹介します。
留守(不在時間)
空き巣は留守を狙って犯行に及ぶため、住人の不在時間帯を知るために何度も下見に来ます。日が暮れても洗濯物が干してあると不在だと教えていることになるので、取り込むのが遅くなるような日は室内干しにするのが良いでしょう。また、帰宅が遅くなるような日は電気を点けっぱなしにしておくと、夜間に外出中でも在宅であるように見せかけることができます。
入りやすくて逃げやすいか
侵入窃盗を行う犯罪者は「侵入しやすさ」と「逃走しやすさ」もチェックします。侵入経路に階数は関係なく、1階も2階も同じように気を付けなければいけません。足場となるようなものがあればどこからでも侵入されてしまうので、エアコンの室外機やエコキュート、物置などは、窓の下やベランダに登れるような位置に設置するのは避けましょう。また、ガーデニングなどで使ったスコップや掃除用のホウキを出しっぱなしにするのも良くありません。とくに空き巣は侵入用の道具を現地調達することが多いので、足場になったり窓を割る道具になったりするようなものは必ず片付けましょう。
一方で、安易に侵入させないためには門扉を付けるのが有効です。門扉の中に入った時点で不法侵入となるので、敷地をしっかりと区切るためにも設置をオススメしています。さらに防犯砂利を敷くのも良いですね。人が歩くとかなり大きな音がするので効果的です。傍目にもわかりやすい防犯対策をしていると、空き巣は侵入しにくいお家だと思うので、ターゲットにされにくくなりますよ。
隣近所からの見通し
塀は高いほうが安全に感じるかもしれませんが、実は防犯上あまりよろしくありません。外からお家の中の様子が見えないと、泥棒に侵入されてもまわりが気付きにくいんですね。庭木が茂っているお家も死角が増えるので狙われやすい傾向にあります。周囲が異変に気付けるよう、塀は低めにして庭木は定期的にメンテナンスをしておきましょう。外からの視線を遮断しすぎないようなフェンスを外構にするのも有効です。
窓のクレセント
空き巣の侵入手口で多いのは、外からクレセント錠周りの窓ガラスを割り、鍵を開けて入り込むケースです。お家を建てる際には、クレセント錠が開けられにくい場所に窓を設置するようにしましょう。手を伸ばしても届かなかったり、人目に付きやすかったりする場所が有効です。そして防犯対策として忘れてはならないのは、鍵をしっかり閉めるということ。2階や3階の窓だからと思っても、油断は禁物です。窓には必ず鍵をかけるようにしましょう。また、窓には防犯フィルムや防犯ガラスを貼るのもオススメです。防犯フィルムは窓ガラスを割られても破片が飛び散らないようにするもので、防犯ガラスは割れにくい素材でできています。どちらも侵入を困難にする効果があります。
玄関ドア
玄関ドアはお家の顔でもあり、防犯上も重要なポイントです。玄関ドアには防犯性の高い鍵を選ぶことが大切です。一般的なシリンダー錠ではなく、ピッキングやドリルで開けられにくいディンプルキーやディスクシリンダー錠などがオススメです。また、玄関ドアにはドアスコープやインターホンを設置することも必要です。来訪者の顔が確認できるようにすることで、不審者や押し売りなどを防ぐことができます。
防犯カメラ

防犯カメラはお家の防犯対策に欠かせないアイテムです。防犯カメラを設置することで、不審者や侵入者の姿を記録することができます。また、防犯カメラがあること自体が抑止力になります。泥棒は自分の顔がバレるのを嫌うので、防犯カメラがあるお家は狙われにくくなります。防犯カメラは玄関や窓などの侵入経路に設置するのが効果的です。最近ではスマホやパソコンから映像を確認できるタイプのものもあります。
まとめ
一戸建て・一軒家の玄関や窓に防犯カメラは必要か、防犯住宅診断士がオススメするマイホームの防犯対策について、詳しくご説明しました。
空き巣は住人の不在時間や侵入しやすさ、逃げやすさなどをチェックして狙いを定めます。
そのため、洗濯物や電気の管理、門扉や防犯砂利の設置、窓の位置や鍵の種類、玄関ドアの防犯性などに気を付けることが大切です。
また、防犯カメラは不審者や侵入者の姿を記録するだけでなく、抑止力にもなります。
玄関や窓などに設置しておくと安心です。
お家を建てる際には、防犯対策をしっかりと行ってくださいね。